公開日 2021年01月05日

「正義と微笑」のころ

―芸術家・太宰治の使命―

2021年2月16日(火) 〜 2021年7月4日(日)
観覧時間 10:00〜17:30
会場:太宰治文学サロン
『正義と微笑』昭和17年6月/錦城出版社
太宰治が自著の中で特に気に入ったという装幀は、世界に名を馳せる画家、藤田嗣治によるもの
休館日

月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、休日を除く翌日・翌々日が休館)

入館料入館無料
主催:公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団

電話:0422-26-9150(太宰治文学サロン)

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「正義と微笑」は、昭和17年(1942)6月に上梓された太宰治の長編小説です。日増しに検閲が厳しくなる時勢においても創作の手を緩めることなく紡がれた作品のひとつで、まるで同じ〈芸術家〉として生きる意志を重ねるかのように、ある駆け出しの俳優の青春模様が描かれています。

この翻案小説の元となる弟の日記を提供した堤重久は、原作者の情熱的な生々しさがすっかり取り払われていることに物足りなさを感じる反面、「混沌と濁った旧約聖書から、すっきり澄んで整った新約が生れた」ようだと述べており、原典を自己流に作り替える太宰治の手法が存分に発揮された作品であることがわかるでしょう。

また、青森の蟹田観瀾山の文学碑に刻まれた、「かれは人を喜ばせるのが何よりも好きであった」は本作からの抜粋で、郷里の友人たちによって太宰治を象徴する一節として選ばれています。

本展では、三鷹の自宅に出征の別れを告げに訪れる友人や弟子たちへの想いを胸に、招集を逃れた作家に残された使命を模索しながら、次々と作品を連ねていった「正義と微笑」のころの太宰治を紹介します。