公開日 2022年01月28日

<協働企画展示> 三鷹 × 新宿 × 田端


(写真左)太宰 治 提供:弘前市立郷土文学館/(写真右)芥川 龍之介 提供:藤沢市文書館

芥川龍之介(1892-1927)が数多くの代表作を執筆した田端。芥川に焦がれながらその生涯を小説に捧げた太宰治(1909-1948)の創作の地、三鷹。また、両作家の早熟な学生時代に拠点となった新宿。2022年、芥川の生誕130年を機に、芥川と太宰のゆかりの地にある文化施設が手を携え、協働企画展示を開催します。

三鷹会場での企画展示「太宰治と芥川龍之介」では、多感な青年期に芥川文学に魅せられた太宰の、芥川にまつわるエピソードや、太宰に多大な影響を与えた芥川作品についていくつかご紹介します。

芥川龍之介の生誕日(3月1日)から命日の「河童忌(かっぱき)」(7月24日)の間に、太宰治の「桜桃忌(おうとうき)」(6月19日)があることから、会期中「河童忌・桜桃忌スタンプラリー」を実施します。

2022年3月8日(火)~2022年7月24日(日) 10:00~18:00
太宰治展示室 三鷹の此の小さい家(三鷹市美術ギャラリー)


観覧無料

【休館日】
 3月 14(月)、22(火)、23(水)、28(月)
 4月 4(月)、11(月)~14(木)、18(月)、25(月)
 5月 2(月)、9(月)、16(月)、23(月)、25(水)~31(火)
 6月 1(水)~3(金)、6(月)、13(月)、20(月)、27(月)
 7月 4(月)、11(月)~15(金)、19(火)

【監修】宮坂 覺(国際芥川龍之介学会ISAS元会長、フェリス女学院大学名誉教授)


三鷹市美術ギャラリー
〒181-0013 東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORAL(コラル)5階→会場地図
電話:0422-79-0033 *展示替えなど臨時休館あり

主催:三鷹市、公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団

太宰治と新宿・三鷹

太宰治


芥川に思慕し、作家志望だった太宰。芥川の死に衝撃を受けたのは18歳、官立弘前高等学校に通う学生でした。東京帝国大学進学を機に上京し、「常盤館」(現高田馬場1丁目)に下宿しますが、非合法活動のアジトとなり、居を転々としながら不安定な学生生活を送ります。

結婚して三鷹(現下連雀2丁目)に家を借りてからは一度も転居することなく、家族との生活によって精神的安定を得、作風にも明るさを取り戻しました。晩年作ばかりが注目される太宰ですが、創作が阻まれる戦中にこそ手を緩めず作品を書き連ねたことは、文学界における大きな功績と言えます。戦後は朝日新聞で連載を確約されるまでの流行作家となりますが、玉川上水に入水し絶命。時代の寵児が告げた突然の別れは、芥川と同様に衝撃的な最期となりました。享年38歳。

芥川龍之介と新宿・田端

芥川龍之介


芥川は第一高等学校入学後の18歳から東京帝国大学二年に進級する22歳まで、実父新原敏三が営む牧場(現新宿2丁目)脇にあった実父の持家で過ごしました。この間、文壇デビューの契機となる「新思潮」を同志たちと創刊し研鑽を積みました。新宿は、芥川が文学修業に励んだ地と言えます。

新宿の次に移り住んだのは、田端(現田端1丁目)です。ここから夏目漱石宅(現新宿区立漱石山房記念館)の木曜会に通い、漱石に激賞をうけ25歳で彗星のごとく文壇デビューしました。そして、流行作家となり、今日我々が親しんでいる数多くの作品を残し、足早に大正という時代を駆け抜けました。昭和に改元された7ケ月後、芥川は、田端の自宅で<ぼんやりした不安>という言葉を残して自ら命を絶ち、社会に強烈な衝撃を与えました。享年35歳。


河童忌・桜桃忌スタンプラリー

期間 2022年3月8日(火)~2022年7月24日(日) *他会場は3月1日(火)から開催

参加費無料
ご参加いただいた方には各館でデザインしたノベルティ[栞(しおり)]もご用意しております。奮ってご参加ください!!
*館内受付にてスタンプラリー台紙をお渡しいたします。休館日のスタンプラリー実施はありませんので、開館日をご確認の上、ご参加ください。
*栞は先着各1,000枚 *三鷹会場限定デザインは、ご好評につき配布を終了しました(三館コンプリート栞は引き続き三鷹会場でも配布しています)。

 

他会場(外部リンク) *他会場は3月1日(火)から開催

新宿歴史博物館
新宿歴史博物館
 田端文士村記念館
田端文士村記念館

【MITAKA ARTS NEWS】

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