公開日 2023年07月04日

<企画展示>

さよならだけが人生だ
-太宰治、林芙美子へ、井伏鱒二の言葉
ONLY GOODBYE IS LIFE

- TO OSAMU DAZAI AND FUMIKO HAYASHI, THE WORDS OF MASUJI IBUSE

2023年8月29日(火)~12月3日(日) 10:00~18:00 観覧無料  *終了
太宰治展示室 三鷹の此の小さい家(三鷹市美術ギャラリー)

井伏鱒二(写真左 提供:ふくやま文学館)/太宰治(写真右上 撮影:田村茂)/林芙美子(写真右下 撮影:林忠彦)


【休館日】月曜日(9/18、10/9は開館)、9/13(水)、9/14(木)、9/19(火)、9/20(水)
10/10(火)~10/12(木)、10/24(火)~10/27(金)


三鷹市美術ギャラリー
〒181-0013 東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORAL(コラル)5階→会場地図
電話:0422-79-0033 *展示替えなど臨時休館あり
三鷹市美術ギャラリー開館状況(お知らせ)

主催:公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団、三鷹市

太宰治(1909–1948)の依頼で『ヴィヨンの妻』初版の装幀・扉絵を手掛けた、「放浪記」で名高い作家 林芙美子(1903–1951)。太宰が中井の芙美子邸(現 新宿区林芙美子記念館)を訪れた日の出来事は、『太宰治との七年間』に堤重久が記しています。また、昭和23(1948)年に発表した「眉山」では、知人の男性洋画家を「林芙美子先生」と紹介する場面があります。文壇の大先輩の名を、職業も性別も全く異なる設定で用いた大胆不敵な創作に、太宰独特のユーモアと、芙美子への親しみが感じられるでしょう。

直接的な交流の機会こそ少なかった2人ですが、芙美子が慕った作家が井伏鱒二(1898–1993)で、太宰が肉親同様に世話になった師でもあります。太宰は昭和5年から師事していますが、井伏と芙美子は既にそれ以前から交流を育んでいます。井伏は芙美子を旅に誘い、「旅人で 詩人で 傑作書きで」と親しみを込めて表しています。

昭和23年6月に太宰が、その3年後に芙美子も急逝。その作家人生はまさに、芙美子が好んでよく認めた「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」を体現するかのように、はかなきものでした。そして、芙美子との旅の道中に「さよならだけが人生だ」という訳詩を生んだ井伏は、数々の別離(さよなら)と向きあいながら、95年の天寿を全うしました。

本年は林芙美子の生誕120年。井伏鱒二の言葉から、太宰と芙美子の交流を振り返ります。

 

井伏鱒二色紙
井伏鱒二色紙  津島家寄託
「はなにあらしのたとへもあるぞ さよならだけが人生だ」
林芙美子手巾
林芙美子手巾  新宿歴史博物館蔵
「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」
太宰治色紙
太宰治色紙  背景:吉岡堅二 昭和23年夏/津島家寄託
「わが身ひとつの 夏にあらねど」

【MITAKA ARTS NEWS】

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