公開日 2025年09月12日

桜井浜江後期作品展

《波》 1991年 / 三鷹市蔵
《波》 1991年 / 三鷹市蔵
2025年 10月25日(土) ~ 11月24日(月・休)
10:30〜17:30 観覧無料
会場 三鷹市桜井浜江記念市民ギャラリー

休館日月曜日(11/3、11/24は開館)、11/4(火)、11/5(水)

主催:公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団
三鷹市桜井浜江記念市民ギャラリー
協力:公益財団法人山形美術館

三鷹市桜井浜江記念市民ギャラリー
  〒181-0013 三鷹市下連雀3-42-3 1階 *三鷹駅から徒歩5分
問合せ 三鷹市公会堂 Tel: 0422-29-9868


桜井浜江展も一昨年の前期作品展、昨年の中期作品展に続く最後の後期展となりました。1926(大正15)年、18歳の桜井浜江は画家となるべく故郷山形を出奔上京します。そして2007年2月12日、99歳を目前に三鷹中央病院にて息を引き取るまで、つまり18歳から80年余を経たその日まで、常にひとりの「画家」であり続けました。

前期展は代表作となる中期の「樹」に収斂(しゅうれん)してゆく前の人物像を中心にしたもので、その画業の背景を知る上でも重要な展開でした。中期展では桜井の独自な画境があきらかになる作品7点を精選し、他の誰でもない画家の裸の魂を当の画家のアトリエ跡に陳列することができました。

そして今回の後期展です。中期においてひとつの到達点に達した桜井が、ここでは、地上のあらゆる景観が自らの身体に合一したものであることを(うた)うかのようです。画家は対象を自己と切り離して見ることはしません。いわゆる対象的理解とは大きく異なる事態です。そのものとなってものとして絵筆を握るのです。そこでは世界はまだひとつの混沌であったと言えましょう。そのことを私たちは眼前にします。

絶筆を含む7点の作品です。どうぞ画家になったおつもりで、じっくりと対峙(たいじ)してください。

《富嶽[絶筆]》 2002年 / 山形美術館蔵
《富嶽[絶筆]》 2002年 / 山形美術館蔵
《淵》 1986年 / 三鷹市蔵
《淵》 1986年 / 三鷹市蔵