太宰治展示室

<企画展示>石井立が遺したもの -編集者としての喜びは《できるかぎりよき本》をつくること-
 会期  2024年8月27日~2024年12月1日  詳細はこちらから  


<申込受付中>みたか太宰治作品倶楽部
 2024年10月25日 15:00-16:30 *詳細はこちらから



田村茂撮影「太宰治」昭和23年2月

太宰治は昭和14(1939)年9月に三鷹の住民となり、昭和23年6月に亡くなるまで「三鷹村(町)下連雀一一三」で過ごしました。小説の舞台としてもたびたび登場する三鷹の自宅は約12坪半ほどで、新築ではあるものの、妻子と暮らすには十分とは言えない質素な借家でした。同時に、師友、弟子らと文芸談義に花を咲かせながら、一度も転居することなく〈一ばん永く住んだ〉居場所でもありました。太宰はこの家を、「三鷹の此の小さい家」(「誰」昭和16年)、「三鷹の私の家」(「新郎」昭和17年)、「三鷹下連雀の家」(「十五年間」昭和21年)、時には「三鷹の陋屋」(「酒ぎらい」昭和15年)、「東京の私の草屋」(「津軽」昭和19年)、「あばらや」(「金銭の話」昭和18年)などと表現しています。

自伝的小説はもちろん、敬愛する作家の名を借りて新たな一歩を踏み出そうとする「善蔵を思ふ」(昭和15年)、三畳間から見える夕陽の描写とともに再生と家庭への決意を誓う「東京八景」(昭和16年)、太平洋戦争開戦の日を主婦の日記に仮託形式で記した「十二月八日」(昭和17年)など、多くの作品の舞台にもなりました。自宅だけでなく、駅前の馴染みの店や井の頭公園などもしばしば登場し、作品を読むごとに太宰の生活圏をより身近に感じることができ、三鷹への親しみがより一層深まります。

珠玉の作品を生み出したことはもちろん、太宰治が作家として、家庭人として、さまざまな思い出を育んできた場所が、この自宅です。

「太宰治が生きたまち 三鷹」を掲げながら、太宰治顕彰事業に絶え間なく取り組んできた三鷹市において、美術ギャラリーの一室に、自宅の一部再現を試みることによって“太宰治の自宅を訪れるかのような展示室”を令和2(2020)年12月8日に開設しました。ぜひ足をお運びください。

 


太宰治展示室 三鷹の此の小さい家


【開館時間】午前10時~午後6時
【観覧料】無料
【休館日】月曜日、年末年始(12月29日~1月4日)
*月曜日が休日の場合は開館し、その翌日と翌々日休館
*展示替えなど臨時休館あり。休館日および臨時休館日については、あらかじめご確認ください。
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