公開日 2023年01月13日

iaku『あたしら葉桜』
2023年4月15日(土)~23日(日) 全11公演  上演時間:約80分 *途中約5分間の休憩あり
三鷹市芸術文化センター 星のホール
チケット
*本公演は終了しました。    
【全席指定】【託】託児あり(4/15のみ)
【会員】 前売3,000円・当日3,500円 
【一般】 前売3,500円・当日4,000円
【U-25(25歳以下)】 前売2,000円・当日2,500円
【高校生以下】 前売・当日とも1,000円
*公演当日、年齢を確認できる書類または学生証を拝見

★早期観劇割引は、すべて500円引き
未就学児は入場できません。
*「U-25」および「高校生以下」は、いずれも公演日時点
*4月20日(木)19:30の回終演後、アフタートークを開催します。
アフタートーク出演:
上田一軒(演出家)、横山拓也(劇作家)、林 英世、松原由希子(4/20更新)

出演作:横山拓也 演出:上田一軒
出演:林 英世、松原由希子(匿名劇壇)
チラシPDF
託児サービスあり  *4/15(土)のみ *未就学児は入場できません。

主催:公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団

電話:0422-47-5122(三鷹市芸術文化センターチケットカウンター)

【販売座席表】

*座席表をクリックすると大きな画面でご確認いただけます。

車椅子対応スペース(赤色のエリア):車椅子でご鑑賞のお客様は、三鷹市芸術文化センターでご予約ください。

お見合い相手の、自分への気持ちを掴みあぐねて、前に進めずにいる娘と、
その娘を優しく見守りつつも、心配のあまり、つい口を挟んでしまう母。
そんな、母と娘が織り成す柔らかな心の揺れを、丁寧な会話劇として描きあげた、
日本演劇史にその名を残す稀代の劇作家・岸田(きしだ)國士(くにお) の傑作戯曲『葉桜』。
今回のiaku公演は、その『葉桜』の朗読と、その『葉桜』をモチーフに作り上げた、
横山拓也のオリジナル戯曲による舞台『あたしら葉桜』の同時上演です。
上質な戯曲と、役者の演技力が導く、温かくも切ない、珠玉の会話劇。
若い方から、ご年配の方まで、すべての世代に観ていただきたい素晴らしい舞台が、ここにあります。

iaku『あたしら葉桜』
『あたしら葉桜』2018年5月 / こまばアゴラ劇場
iaku『あたしら葉桜』
『あたしら葉桜』2018年5月 / こまばアゴラ劇場

 

岸田國士初期の名作「葉桜」をモチーフに、横山拓也が現代的な視点から母娘を描く「あたしら葉桜」を、2本同時上演。口語劇のパイオニアといえる岸田戯曲とiakuの関西弁口語を並べることで、その影響や系譜を確認し、エンターテインメントに昇華する。演出は、iakuで長く横山とコンビを組んできた上田一軒。キャストには第20回(2017年度)関西現代演劇俳優賞・女優賞の林英世と同・奨励賞の松原由希子の関西の実力派の二人が並ぶ。

 
『あたしら葉桜』 あらすじ

古くて隙間だらけの一軒家。「アイネキュッヘンシャーベ」が逃げ込んだ和室に、母と娘は恐る恐るやってくる。口にするのもおぞましいアイツを退治するため、二人はあれやこれやと悪戦苦闘。やがて、娘の恋人の話になる。ドイツへの海外赴任が決まっている恋人についていくことを決心しきれない娘。母は娘の気持ちを後押ししきれずにいる。

 

今回の公演に寄せて、横山拓也さんからのメッセージ

作:横山拓也
横山拓也(撮影:堀川高志)

現代のテレビドラマなどに見る口語セリフの第一人者とも言われる岸田國士。セリフの書き様に徹底的にこだわった岸田國士にシンパシーを持っています。彼の初期作品の数々から、当時に生きる人たち(庶民よりは少し裕福な人たち)の日常のニオイが嗅げる面白味は、戯曲が時代を越えて存在する意義を感じさせてくれます。私もセリフにこだわった作品づくりを行なっているので、いつか時代を経ても楽しんでもらえるものを書ければ、と思っています。『葉桜』(朗読)と『あたしら葉桜』の連続上演は、二つの時代と、二人の作家を並べて見つめる企画です。文豪に肩を並べる気はさらさらありませんが、こうやって勝手に真っ向勝負を挑めるのはなかなか楽しいです。コロナで中止になってから3年。ようやくリベンジの時が来ました。

 

演出・上田一軒さんからのメッセージ

演出:上田一軒
上田一軒

岸田國士の『葉桜』を初めて読んだときは、なんだかよくわかんなかった。で、演出することになって読んでみたら、「これはなんだか読めば読むほどおもしろい台本だ」と思うようになった。
横山拓也の『あたしら葉桜』は、読んでいきなりおもしろかった。で、演出しだしたら、「これはなんだか読めば読むほど骨のある台本だ」と思うようになった。
岸田國士は昔、「何かを云ふために戯曲を書くのではない。戯曲を書くために何かしらを云ふのだ」と言ったらしい。
岸田國士が切り開いた戯曲の境地を、横山拓也も引き継いでいるように見える

 

出演・林 英世さんからのメッセージ

林英世
林 英世(撮影:堀川高志)

2年の月日を経て、三たびこの作品に取り組めることが本当に嬉しい。前回は稽古途中で公演中止になり、まだもう一歩深いところへ入り込めないもどかしさの中で、作品とお別れした。もっと何かあるのに、何かの影を感じるのにつかめない。その影をつかみたい!上演の機会を頂いて、一軒さんの謎めいた言葉に導かれながらの探求の旅が、また始まるのだ。ん?ここまで書いて、もしかしたら影は影のままでいいのかもしれない。それが私たちなのかもしれないという気もしてきた…。どこへたどり着くのか楽しみで仕方ない。

 

出演・松原由希子さんからのメッセージ

松原由希子
松原 由希子(匿名劇壇)

『あたしら葉桜』再演は2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により稽古終盤で中止が決定しました。
私は稽古大好き人間なので、中止の連絡を聞いた際も「林英世さんや上田一軒さんと稽古できて勉強にもなったし、楽しかったな。」と冷静に受け入れていました。仕方のないことですし。
しかし1年、2年と過ぎた今、まだあの公演のことを、ふとした瞬間に考えてしまうのです。もし上演できていたら、みんなで作り上げた芝居はどうだっただろうかと。あの時の作品が、いまだどうにも着陸できず、頭上を旋回しているようです。
お客さまに観ていただかない限り公演はいつまでも未完になってしまうんだと初めて知りました。作品に対する意気込みなどいろいろありますが、でもやっぱり「本番を迎えられる」それが嬉しいです。機会を作ってくださった皆さまに感謝して『あたしら葉桜』演じたいと思います。

 

 
あつい胸さわぎ
『あつい胸さわぎ』
2022年8月 / ザ・スズナリ / 写真:井手勇貴
劇団プロフィール

大阪発、全国各地を飛び回る劇作家・横山拓也の個人ユニットiaku。アンタッチャブルな設定と、小気味良い関西弁口語、強度のあるセリフを持ち味にして、議論、口論、口喧嘩を覗き見できる会話劇を発表。繰り返しの上演が望まれる作品づくり、また、大人の鑑賞に耐え得るエンターテインメントとしての作品づくりを意識して活動中。

HP|http://www.iaku.jp Twitter|@iaku_info

 

 

Interview  *2020年4月公演(開催中止)の際に収録(2019年11月)したインタビューです。

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