大切な人との食事の時間は、かけがえのない至福のひととき。
そして、食べる人のことを思い浮かべながら料理を作る時間もまた、喜びを感じる瞬間です。

今回の映画特集では、料理が人と人とを結んでいく、
心温まる作品の数々を上映いたします。

『かもめ食堂』（2006年/102分/カラー/DCP/日活）

©2006 かもめ商会

フィンランドの首都ヘルシンキで、日本人女性が営む小さな食堂「かもめ食堂」。
そこに集まる人々の日常に、店主が作る美味しい料理が彩りを添えていく。
ふとしたきっかけで知り合った3人の日本人女性の交流を中心に、穏やかでゆったりとした日々を描いた、ちょっとだけ不思議な心温まる物語。

日本人女性のサチエ（小林聡美）は、フィンランドの首都ヘルシンキの街角に「かもめ食堂」という小さな食堂をオープンした。店のメインメニューは、日本人のソウルフード「おにぎり」。しかし、近所の人たちからは「おかしな店」と敬遠されてしまい、なかなか客はやって来ない。ある日サチエは、ひょんなことから日本人旅行客のミドリ（片桐はいり）とマサコ（もたいまさこ）と知り合い、店を手伝ってもらうことになる。やがて、サチエの店には、さまざまな事情を抱えた個性豊かな人たちが集まるようになり…。

3人の日本人女性と、店に集まる個性豊かな人たちとの交流を描いた、心温まる作品。日本映画で初めて全編フィンランドロケが行われた本作は、首都ヘルシンキの穏やかな街並みや風景も、見どころの一つです。