公開日 2024年06月07日
- マルシン・ディラ(ギター)
©Matthew McAllister
三鷹市芸術文化センター 風のホール
チケット | 終了 【全席指定】会員 S席3,150円・A席2,250円 / 一般 S席3,500円・A席2,500円O-70(70歳以上/ A席限定)2,250円 / U-23(23歳以下/ A席限定)1,500円 *U-23の中学生以上の方およびO-70ご利用の方は、入場の際に身分証明書のご提示をお願いいたします。 *未就学児は入場できません。 |
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出演 | マルシン・ディラ(ギター) |
曲目 | シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス [編曲:M.ディラ] :リュート・ソナタ第34番ニ短調 より ウェンツェル・トマス・マティーカ:ギター・ソナタ ロ短調 作品23 レノックス・バークリー:ソナティナ Op.51 *** 休憩 *** ホアキン・ロドリーゴ:祈りと踊り ホセ・マリア・サンチェス=ベルドゥ:Kitab I アストル・ピアソラ:5つの小品 カンペーロ ロマンティコ アセントゥアード トリストン コンパドーレ *プログラムは予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。 |
チラシPDF | マルシン・ディラ ギター・リサイタル[PDF:1.19MB] |
託児サービス | あり |
主催:公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団
電話:0422-47-5122(三鷹市芸術文化センターチケットカウンター)
近現代のクラシック・ギターの歴史に一大旋風を巻き起こしているマルシン・ディラは1976年、ポーランドのホジュフ生まれ。1996年から2007年までに世界最難関のGFA国際含む19の国際コンクールで優勝という快挙を成し遂げたギタリストです。
多くの優れたギタリストを輩出した名匠、オスカー・ギリアほかに師事。アメリカのカーネギーホール、ウィーンのコンツェルトハウスなど名門ホールでのリサイタル、サンクトペテルブルク・フィル、バッファローフィル、スペイン放送響など世界各地のオーケストラとの共演を重ね、2006年にはスペインの伝説的作曲家ホアキン・ロドリーゴの遺族の指名で、新たに発見された作品「ギターのためのトッカータ」をマドリードで世界初演しました。
息をのむ美音と豊かな表現力、言葉を失うほどの類いまれなるテクニック。その両手から繰り出される演奏は流麗で豊饒な音楽の海となり、風のホールの空間を満たしていくことでしょう。
世界的名手の神髄をじっくり味わうひとときを、どうかお聴き逃しなく。
来日直前!マルシン・ディラ 特別インタビュー
アメリカ合衆国のワシントン・ポスト紙で「この地上で最も才能あるギタリストの一人」と絶賛された現代最高のギタリスト、マルシン・ディラがいよいよ来日します。2024年の日本ツアーを前に行われたインタビューをぜひご一読ください。
ギターを始めたきっかけを教えてください。
7歳のとき両親に勧められて始めました。二人は私のことをとても音楽的な子だと思っていたようです。いつも歌っていましたからね。楽器を弾くのは子どもにとってとても良いことだと思います。もちろん、自分が小さかったときは将来のことなんか考えなかったけれど、10代になって「それほど自分は悪くはないのでは」と気付き、やがてプロへの道が開けていきました。
他の楽器を習おうとは思わなかったのでしょうか?
学校で必修科目としてピアノを弾いたことはあるけれど、ギターほどには楽しめなかったですね。
ギターを弾いていないときの楽しみは何ですか?
子どもたちと一緒に過ごすことですね。
日本は何回目ですか。前回も9月でしたが、日本の暑い夏は好きですか?
日本はいつだって大好きです。この来日で5回目になります。毎回とても楽しんでいますよ。
日本の聴衆についてどうお感じですか?
音楽を聴くにあたって「静かである」というのはもっとも重要で、根源的なことです。日本の聴衆はとても素晴らしいと私は感じているし、コンサートはいつもとてもプロフェッショナルに運営されています。
いま演奏している楽器について教えてください。
楽器はしょっちゅう換えるんですが、いまはガブリエレ・ロディを演奏しています。桜井正毅さんのギターも持っていてよく使っています。
コンサートの前は緊張しますか?
緊張はしませんが、よく集中するように心がけています。でも常に最高の集中力を発揮する方法を正直言って知らないんです、むしろそれが私をナーバスな気持ちにさせますね(笑)。
あなたの演奏は完璧な芸術作品のようで、とても魅力的です。人々を演奏に引き込む秘訣はありますか?
自分の演奏はロジカルでありたいと思っています。なので他の音楽家の演奏を聴きながらロジックについて考えるんです。ちょっと変わっているかもしれませんけれど。
今回の来日ではマスタークラスも開催されます。日本人ギタリストについてどのような印象をお持ちですか。
みんな素晴らしいし、いつも敬意の念を持っている人たちだと感じます。レベルはとても高いですね。
クラシック・ギターの世界には次々と新しい才能が誕生しています。今後ギター界は変わっていくでしょうか。そうだとすればどのような方向に変わっていくでしょうか。
誰もが人間味のある芸術を好むものだと思うし、興味深い音楽家になるためにはそもそも興味深い人間である必要があるでしょう。そのためには音楽教育だけにとどまらない、もっとずっとたくさん、ほかの要素が求められると思います。生きた経験、知識、成熟度、音に対する感受性といったものがとても重要なのではないかという気がします。
毎日スケールやアルペジオなどの基礎練習はしますか?
しません。毎日同じことを同じようにやっていても成長はないからです。反対に自分が気に入っていて生徒にもすすめているのは、クリエイティブであり続けること、練習方法もそのとき勉強している作品にあわせて変えて(発展させて)いくということです。難しい箇所というのは、それぞれが固有の難しさを持っているので、個別の分析が必要ですね。
新しい曲を勉強するときはどのように練習しますか?以前のインタビューでは、メトロノームを使った練習は勧めないと仰っていましたが、いまでも同じ考えでしょうか。
メトロノームは人間的ではなく、リズミックでもなく、音楽的でなく、息づかいもありません。感情を表現する助けになりません。メトロノームは音楽性を殺してしまうものだと信じています。
暗譜や読譜は得意ですか?どうやっていますか?
暗譜するには、手先の記憶だけでなく、知的な記憶を使う必要があります。分析、比較、そして楽曲をよく理解する必要があります。手による記憶に重きを置きすぎるのはよくある間違いです。
日本滞在中に楽しみにしていることはなんでしょうか?
日本食は大好きですね。すごく健康的で、しかも美味しい。今回もエンジョイしたいですね。美術館に行ったり、観光をしたりする時間がないのは残念です。
もし生まれ変わったらまたギタリストになりたいですか?
それも悪くないですね。ただ、音楽家という職業はとても魅力的なので、どの楽器を演奏するかということはそれほど重要ではないと思います。
このプログラムの聴きどころについて
前半はかなり保守的なプログラムになっています。3つの時代から3つの曲を。とても古典的なスタイルの作品ですね。後半は伝説や言い伝えなどからインスピレーションを受けたスペインと南米の音楽をお届けします。
日本の聴衆の皆さんへメッセージ
今回のツアーではイタリア人の楽器製作家、ガブリエレ・ロディの新しい楽器で演奏します。この楽器はトーレス*のスタイルで作られています。この日本ツアーは私にとって今シーズンのハイライトです。皆さんと一緒にリサイタルを楽しみたいと思っています。
皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。
*アントニオ・デ・トーレス(1817-1892):スペイン出身の偉大な楽器製作家。「ギターのストラディバリウス」と言われる非常に優れた楽器を残した。
聞き手・日本語訳:山根悟郎(オフィス山根代表)
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