“音楽の神ミューズに愛されたヴァイオリニスト”の全身全霊を込めたバッハ

バロック音楽から委嘱新作を含む現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、ピリオド楽器とモダン楽器の両方で演奏するヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァ。彼女は、ソロ作品と室内楽で定期的にパートナーを組むピアニスト、セドリック・ティベルギアンとのデュオで、2017年10月と2024年11月に風のホールに登場しました。

今回お贈りするのは、待望の無伴奏リサイタル。ヴァイオリニストにとって永遠のバイブルのような音楽と言われる、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ」全6曲から無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番、「シャコンヌ」を終楽章に持つ同第2番、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番の3作品を演奏します。モダン楽器を用いながら、ピリオド楽器の演奏を通じて得られた奏法（曲が作られた当時の解釈法や演奏法）が絶妙に溶け込んだ彼女の繊細かつ大胆なバッハへのアプローチは、これまでにも内外の聴衆を魅了してきました。なかでも2015年BBCプロムスで2夜にわたって行われたバッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータの全曲演奏は伝説のコンサートとして日本でも知られており、英ガーディアン紙に「イブラギモヴァの演奏の臨場感と誠実さには、演奏家と聴衆の間に存在するいかなる距離感をも打ち破る興味深い能力が備わっている」と評価され、彼女の名声をさらに高めました。

イブラギモヴァがヴァイオリン一本で描く壮大で果てしなく深いバッハの宇宙を、彼女ならではの強靭でしなやかな美しさ、繊細な美しさをたたえた音楽、鮮烈な音色を国内有数の音響で定評のある風のホールでたっぷりと味わっていただく絶好の機会。どうぞご期待ください。