公開日 2019年09月10日
風のホールでの演奏は、2015年の小林沙羅さんとの共演以来となります。今回は『情熱』をテーマに、プログラムを立てました。
最初に弾く『遥かなる恋人に』は、ベートーヴェンが不滅の恋人との破局後に陥ったスランプから復活するきっかけとなった作品で、6部構成の最後のセクションの冒頭メロディがシューマンの幻想曲第1楽章に引用されました。シューマンは、この幻想曲をボンのベートーヴェン記念碑を建てるにあたって作曲し、その企画の中心人物でもあったリストに献呈しました。一方、シューマンが結婚前夜に花嫁のクララのために書いた『献呈』は、リストの編曲です。
偉大な作曲家たちの愛と情熱にあふれる音楽を、たっぷりとお楽しみください。
福間洸太朗