公開日 2025年03月01日

米谷清和の“ニューヨーク・メモ” 展

《ストリートバスケット》 1995年 / 紙・水彩
《ストリートバスケット》 1995年 / 紙・水彩
2025年 4月15日(火)~5月6日(火・休)  10:30〜17:30
会場 三鷹市桜井浜江記念市民ギャラリー

入場料 観覧無料
休館日 月曜日(5/5は開館)

主催:公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団

三鷹市桜井浜江記念市民ギャラリー
〒181-0013 三鷹市下連雀3-42-3 1階 *三鷹駅から徒歩5分
問合せ 三鷹市公会堂 Tel: 0422-29-9868


《スケートボード》 1995年 / 紙・水彩
《スケートボード》 1995年 / 紙・水彩

1947年福井市に生まれた米谷清和は、三鷹にアトリエを構える日本画家横山操(1920〜1973)に師事すべく多摩美術大学に進み、当時から77歳になる現在まで調布、そして三鷹に居住しています。

それまでの日本画では考えられないようなモチーフに、激しい筆致で、ときに繊細に対峙した師横山の下で、米谷は独自に現代の〈今・ここ〉を捉えることに専念しました。それは渋谷や新宿の街であり、木漏れ日の田舎道であり、表情の失せたサラリーマンや早朝のラジオ体操の張りつめた空気です。心のひだを見つめるように雨の渋谷駅を描き、照り返す夏の陽射しを老婆の日傘に重ねて描きました。米谷の〈今・ここ〉を直指する態度は、過去から、そして未来から時が流れ込む滝壺としての現在を、ことばなく、すなわち概念以前の世界として描き出すものにほかなりません。

今回展覧される作品は30年前に訪れたニューヨークで描かれました。米谷の大画面を知る者には少し意外かもしれませんが、いずれにも通底するのは、分節不能のここ、そしてわたし、という主客未分のありようです。米谷の画には、大きさや画材や技法にかかわらず、具象/抽象、わたし/あなたということのずっと手前の純粋な経験が、ただそこに投げ出されたようにあると言ってよいでしょう。