6月は桜桃忌！太宰治文学サロンで、特別企画（サプライズ）！！

6月は三鷹に太宰の愛好者が足しげく訪れる「桜桃忌月間」です。
このたび、太宰治展示室と太宰治文学サロンに訪れる多くのファンのためにと、研究者で日本近代文学初版本の収集家・川島幸希氏が6月15日から6月20日の期間限定で、お手持ちの貴重な資料を太宰治文学サロンに提供してくださることになりました！
太宰治の遍歴に名の挙がる親族や、特定の親しい人物に太宰本人が贈った昭和17年から昭和19年の稀少な署名本の数々です。

三鷹で生まれ育ち、太宰文学を愛する川島氏による、桜桃忌に三鷹に足を運んでくださる方々への「特別企画（サプライズ）」です！！見逃すと当分は目にすることができないであろう署名本の数々。中には短歌が認（したた）められたものなど、太宰の人となりが感じられるものもあります。
開催中の企画展示「正義と微笑のころー芸術家・太宰治の使命ー」に合わせた同時代の署名本を、この「桜桃忌月間」に、ぜひご覧ください！！

なお、桜桃忌月間ということもあり、特別企画期間と、桜桃忌前後は混み合う恐れがございます。複数人でのご来館は避け、分散してのご来館にご協力いただけましたら幸いです。また、新型コロナウイルス感染症防止対策として、入場制限その他ガイドラインを設けております。ご不便をおかけしますが入場の際は遵守いただきますよう、お願い申し上げます。

「桜桃忌特別企画」川島幸希氏所蔵・期間限定公開太宰治署名本

沢西　健　　宛　『駈込み訴へ』昭和17年1月　月曜荘刊
根市　良三　宛　『駈込み訴へ』昭和17年1月　月曜荘刊
小松伸六夫妻宛　『風の便り』昭和17年4月　利根書房刊
丸山　定夫　宛　『正義と微笑』昭和17年６月　錦城出版刊
中村　貞次郎宛　『信天翁』昭和17年11月　昭南書房刊
四姉・きやう宛　『富嶽百景』昭和18年1月　新潮社刊
宛名不明　短歌入『佳日』昭和19年8月　肇書房刊

*1 丸山定夫は太宰よりも八つ年上の俳優で、「酒の追憶」でその優しい人柄が表されている。中国地方の巡回公演中に広島で被爆し、44歳でこの世を去った。俳優志望の青年の青春が描かれたこの物語は、丸山の心にいかに響いただろうか
*2 きゃうは、太宰が兄姉（きょうだい）のなかで署名本を贈った唯一の姉。心から慕う肉親にこそ「愚弟」と記すところが、いかにも太宰らしい