浜田知明 HAMADA Chimei, 1917−2018
- 《現代の長城》
1964年 紙・エッチング 36.4×44.8cm
- 《アレレ・・・》
1974年 紙・銅版 32.0×19.1cm
熊本県生まれ。
1939年東京美術学校油画科卒業。藤島武二教室に学ぶ。同年現役兵として入隊、除隊後1944年にも召集される。1949年自由美術家協会会員。
この頃から銅版画を始め、同年駒井哲郎らと日本銅版画協会設立に参加。翌年、戦争体験を独自の解釈で象徴的に表現した〈初年兵哀歌シリーズ〉を発表。同シリーズ中の作品で1956年第4回ルガノ国際版画ビエンナーレ展次賞受賞。1960年《群盲》で第4回現代日本美術展優秀賞受賞。その後も様々な国際展に出品し、1965年フィレンツェ美術アカデミー版画部名誉会員。1980年神奈川県立近代美術館にて「浜田知明銅版画展」開催。
戦争体験を見事に昇華したその作品は、暗鬱な政治状況を踏まえながらも、そこをこえ出た造形性とユーモアさえ生み出している。