李禹煥 LEE U-fan, 1936−
- 《With Winds》
1992年 カンヴァス・油彩 162×130cm
- 《Correspondence》
1996年 紙・水彩 57×76cm
韓国慶尚南道生まれ。
1956年ソウル大学校美術大学中退後来日、1961年日本大学文理学部哲学科卒業。
1968年関根伸夫の作品《位相-大地》を「もの派」と呼び、「全てがあるがまま、そのままの世界を学ぶことである」として鉄や石を素材そのまま作品として提示し、理論、実践の両面で「もの派」の代表的作家となる。
1971年以降は平面作品に取り組み、カンヴァスに岩絵の具を用いた《点より》、《線より》シリーズを開始。さらにおし進められた高い精神性を見せ、現在に至っている。
1998−99年には「李禹煥全版画展 1970-1998」が三鷹市美術ギャラリーはじめ全国5カ所を巡回。2005年横浜美術館にて個展。2010年李禹煥美術館(香川県直島)開館。
意味するもの、意味されるものといった二極分化の構造ではなく、「即」のもとに止揚されるそれらの自覚にこそ新しい地平が開けるとする作家の思想は、現代美術のシーンに大きな影響を与えたといえる。